運動・認知の機能が低下 コロナ自粛で「二次被害」

新型コロナウイルス禍で、外出自粛が続いている。
ウイルスの感染拡大を防ぐためには当然の対応だが、マイナス面もあることを知ってほしい。
運動機能が低下するだけでなく、人との会話が減ることで、認知症になる危険性も増すという。
専門家は、これを「健康二次被害」と呼び、注意を呼び掛けている。

「コロナを恐れ、ほとんど外に出ない人たちが一定数いる。認知症が進行したり、寝たきりになったりするような状況が見えてきた」
筑波大学人間総合科学学術院の久野譜也教授は、こう指摘する。
特に高齢者の場合は筋力の低下による転倒や骨折、認知機能の低下で、要介護や寝たきりになりやすいという。
久野教授の研究室は昨年、六つの自治体で約8000人を対象に、自粛期間の延長に伴う影響を調査した。
60歳以上で「意欲的かつ活動的に過ごせなくなった」という人は、2020年5月に比べて11月は約1・3倍に増加した。
80歳以上では、約2倍に増えている。
同じ時期、「同じことを何度も聞いたり、物忘れが気になるようになったりした」という人は、60歳以上で約2・2倍、80歳以上で約1・6倍になった。

注意すべき点がある。
久野教授は「高齢者や、もともと認知機能が低下している人は、そう変化していないだろう。
コロナ禍前まで活動的で、地域のコミュニティーに出て健康的な生活をしていた人ほど影響を受けている」と、分析する。

外出を控えることで、地域コミュニティーにおける人との接触と会話が減る。
これも大きな問題だ。
久野教授は「運動機能の低下は、家の中で運動をしていれば、ある程度は防げるだろう。
しかし、認知機能の低下は会話の減少に大きく関係する」と指摘する。

顔なじみの人たちと雑談をしながら笑顔になる。
笑顔は大事だ。
がんの患者に吉本興業の芸人に漫才を聞いてもらい、免疫に関係するナチュラルキラー(NK)細胞の活性度を調べる実験があった。
漫才を聞き、大笑いした後では、NK細胞の活性度が上昇し、免疫力が上がったという。
久野教授は「各国でも、同様の調査が行われており、医学的な証拠は十分にある」と話す。

 

 

ケアーズ松阪のブログ:ケアーズ日記
ケアーズ訪問看護リハビリステーション松阪:看護師・理学療法士
看護師・理学療法士リハビリ:松阪 訪問看護・リハビリステーション
ケアーズ訪問看護松阪 やりがい日誌:こころを込めた訪問看護を