緑茶とコーヒー 認知機能との関連性

緑茶やコーヒー、紅茶などの嗜好飲料は、一日に何杯も習慣的に飲むことが多い身近な飲み物です。
認知症予防の観点からも緑茶やコーヒーの有効性が注目されており、国内外の研究者により、それらの摂取と認知症発症との関連性が検討されていますが、未だはっきりとした結論は得られていません。

ある調査で、多くの人が飲んでいる緑茶やコーヒーの摂取頻度と認知機能の関連性を調べました。
その結果、緑茶の摂取が1日1杯未満のグループに比べ、1日に2-3杯、あるいは4杯以上のグループでは認知機能の低下リスクが約30%低下していました。
つまり、緑茶を1日に2杯以上飲んでいる人では、ほとんど飲んでいない人に比べて認知機能が下がりにくいという結果でした。
緑茶にはお茶特有の苦み成分のもととなるカテキンなどのポリフェノールが豊富に含まれ、抗酸化作用や抗炎症作用、動物実験ではアミロイドβの蓄積を抑える作用などが報告されています。
またお茶類は人との団らん時に飲むことも多く、本研究では検討できていませんが、社交性の高さが両者の関連性を説明している可能性があります。
したがって、今回の研究結果は、食事や人との社交を通して、習慣的に緑茶を飲むことが、認知機能の維持に効果的であることを示しています。

一方、今回の調査では、コーヒーと認知機能には明確な関連性がありませんでした。
60歳以上の地域住民の方ではコーヒーをほとんど飲まない方が約4割を占め、緑茶のように1日4杯以上飲む方は非常に少ないため、コーヒーを飲む人と飲まない人での比較が十分に行えなかった可能性があります。
コーヒーにもポリフェノールは豊富に含まれており、健康に良い効果を与える可能性が考えられます。

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