熱中症、自宅でも注意 半数が高齢者、医師が助言

 

 熱中症による救急搬送者の半数を占める高齢者は、加齢により体内の保水力が低下し、喉の渇きを感じにくく、要注意だ。京都市立病院(中京区)の檜垣聡・総合診療科副部長は「自室であっても適切な室温調整とこまめな水分補給を」と呼び掛けている。
消防庁の集計によると、2017年(5~9月)の熱中症による救急搬送者数は5万2984人(京都府1415人、滋賀県603人)だった。このうち、65歳以上の高齢者は48・9%に上り、毎年5割前後を占める。さらに、同庁が昨年初めて集計した発生場所別をみると、自宅での発症が37%で、工事現場などの仕事場や学校、路上といった屋内外で活動中のケースを上回り、最も多かった。
熱中症は発汗によって体内を循環する水分が減少、塩分のバランスも崩れ、体内の調整機能がうまく働かなくなることが原因だ。特に高齢者は、喉の渇きを感じにくく水分不足を自覚しにくい。また保水している筋肉の量が加齢で減り、脱水しやすくなる。自室で数日掛けて発症することもあるという。糖尿病や高血圧、心筋梗塞など心臓系の既往症のある人はなりやすい。
檜垣氏は「高齢者は冷房が体に良くないと思い込み、嫌がる人が多い。加齢によって排尿回数が増えるため、就寝前の水分摂取を控える傾向もある」とした上で、自宅の熱中症予防にはエアコンで室温を28度以下に保つことや、こまめな水分摂取が必要とする。大量に発汗する就寝時はとりわけ注意が必要だ。
一日あたりの水分摂取量が同じでも小分けにした方が効果が高い、という研究結果がある。高齢者が自宅で摂取するにはスポーツドリンクでなく水や茶がよく、塩分はみそ汁などで補えば十分という。
湿度の影響も大きい。毛穴を水分が覆ってしまい、体内に熱がこもりやすくなるためだ。室温が低めの21度だったにもかかわらず、湿度が98%の環境下で死亡した事例も報告されているという。奥行きに細長い「うなぎの寝床」の京町家は風通しが良く涼しいとされるが、隣にマンションなどが建てられた場合は風が遮られるためエアコンが要る。
熱中症は重症度に応じて3段階に分類される。初期段階では足のけいれんや失神、頭痛、嘔吐(おうと)をもよおす。重症化すると肝臓、腎臓などの臓器に障害が発生し、熱中症による死因の大半が多臓器不全という。
檜垣氏は「湿度が高くなる梅雨前後の時期に急激に増えてくる。自宅では温度計と湿度計を設置したり、(熱中症への危険度を気温と湿度などから算出する)『暑さ指数』に気を付けてほしい」と話している。

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