高齢者を衰弱させる「コロナフレイル」

高齢者が健康な状態から要介護状態にシフトしていく“中間段階”のことを指す「フレイル(虚弱)」。
通常、運動不足や社会活動の減少によってリスクが高まるとされるが、長引くコロナ禍の自粛生活によって、高齢者の健康に与える二次被害として注目を集めている。
フレイルの症状は身体的要素、精神・心理的要素、社会的要素の3つの側面に表れ、それぞれが強く連関しており、予防のためにはいずれの要素にも配慮する必要がある。

フレイルの身体的な表れとしては、第一に筋肉量が減少することによって歩行スピードが遅くなり、何かにつまずいて転倒するケースが増えることが挙げられる。
他にも、握力が低下することによってペットボトルのふたを開けることができなくなったり、口周りの筋肉が衰えることにより、食事の食べこぼしや蒸せ(むせ)をする機会が増え、滑舌の悪化なども目立つようになる。
人によってこれらの症状の一部のみが強く出る場合と、全ての症状が表れる場合がある。
いずれにせよ、これらの異変が見られた場合はフレイルの可能性が高く、要介護状態に移行する前に適切な対応を取る必要がある。

では、上記のような兆候が表れた場合、どのような措置を講じればいいのだろうか。
脚力が衰えている場合は、週に数回、ゆっくりで構わないので近所を30分間ほど散歩することで、失われた筋力を取り戻すことができる。
その際は、自分の脚力が衰えているということを自覚して、無理のない範囲で運動を行うことが大切。
上肢の筋力や握力が衰えている場合は、ダンベル運動を1日に1回行うといい。
鉄アレイの代わりに、手近にある椅子などを使っても構わない。
口周りの筋肉に衰弱が見られる人には、発声しながら口を動かす『パタカラ体操』がお勧め。
『パ』『タ』『カ』『ラ』をそれぞれ5文字3回ずつ発音する運動を日常的に行うことで、口腔の筋力を回復させることができる。
これらは身体的フレイルの改善策であると同時に予防としても有効だ。

 

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