薬、補聴器を忘れずに…高齢者の避難、備蓄品や防災バッグを確認
災害はいつ起きるかわからない。日頃から、非常時に持ち出すものや備蓄品を準備しておく必要がある。高齢者の場合は、服用中の薬や補聴器、入れ歯など、それぞれの普段の生活に欠かせない品を備えておきたい。
神戸市の被災地支援団体「チーム神戸」代表、金田真須美さんは、近所で一人暮らしをする70代の母、政子さんのために、災害時に持ち出すかばんを準備した。
これまでも食料や懐中電灯を台所や枕元に用意していたが、政子さんの物忘れが多くなったこともあり、最小限の物をまとめ、すぐに持ち出せるようにした。かばんは、足腰が弱い政子さんが使いやすいキャリーバッグにした。
薬や非常食、金田さんの連絡先など、中身は親子で話し合って決めた。金田さんは「準備を通して、実際に避難するイメージを持ってもらいたかった。本人の意識も高まったようです」と話す。
災害の規模にもよるが、救援物資は数日から1週間程度で届くことが多い。だが、防災研究機関「人と防災未来センター」(神戸市)主任研究員の松川杏寧(あんな)さん(社会学)は「薬や補聴器、入れ歯など、人によって仕様が違うものは入手が難しい。普段から準備して持ち出せるようにしておきましょう」と話す。
薬や老眼鏡など、日常的に使用しているものは決まった場所に置く。予備がある場合は持ち出しかばんに入れておく。補聴器が必要な人は、電池の予備を用意し、交換方法も確認しておきたい。
松川さんは「外出先で被災することもある。出かける際には常に、数日分の薬や少額のお金、防災用ホイッスルなどを持っておくと安心です」と呼びかける。
トイレの備えも重要だ。断水で自宅トイレが使えなかったり、避難所内でもトイレが遠かったりすることがある。兵庫県立大教授の大野かおりさん(災害看護)は「高齢者はトイレを心配して水分を控えがちになるが、脱水状態になり、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞の危険性が高まります」という。
簡易トイレや紙おむつを用意しておきたい。普段の下着に付けられる尿取りパッドを使ってもいい。家族が「若い人も使うことがある」と声をかければ、抵抗感も薄れる。
断水で手が洗えないこともあるだろう。高齢者は感染症にかかりやすいので、ウェットティッシュや手指用の消毒スプレーを用意しておく。
気持ちの面でも備えておきたい。被災しても周囲に気兼ねし、助けを求められない高齢者もいる。大野さんは「上手に支援を受ける『受援力』が、高齢者の防災で何より大事」と強調する。
まずは近所とのあいさつから始める。周囲に「高齢者が住んでいる」と認識してもらうのが目的だ。地域の行事や避難訓練に参加してもいい。
高齢者本人が「自分には手助けが必要」という意識を持つことも欠かせないが、家族などが強く指摘すると反発しかねない。必要性を納得できるよう、丁寧に説明しよう
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