血圧は年をとるにつれて上がる?

実はそんなことはありません。
高血圧の人は年をとるほど多くなり、かつては上の血圧は年齢+90前後ぐらいが普通とされた時代もありました。
しかしそれは人生50年といわれたころの話です。

確かに血圧は年齢を重ねるにつれ上がりやすくなりますが、それにも個人差があって年をとってもまったく血圧の上がらない人もいます。
全国各地の住民約15,000人を対象に調査した結果(平成11年国民栄養調査)で、男女とも70歳以上になると高血圧(上が140、下が90以上)の人は約70%、60歳代では約60%となり、血圧の高いのは当たり前という状態になっています。

年をとるにつれ増えているのは高血圧と高血糖(糖尿病)で、肥満と高脂血症(高コレステロール血症)は少しずつ減っています。

しかしもう一つ注目してほしいのは、60歳、70歳代になっても血圧が正常な人がそれぞれ40%、30%ぐらいはいるという事実です。
加齢によってだれでも血圧が上がるということではないのです。

日本人の平均寿命の伸び方は世界一で、女性84歳、男性77歳という世界の最長寿国になっています。百歳以上の老人(百寿者)が13,000人もいる国になりました。

百寿者の血圧を調べた報告によると、予想に反し高血圧者が少なく、正常血圧者の方がずっと多いのです。

長寿県として有名な沖縄で男性62人、女性279人の百寿者を測定した結果、60%以上が正常血圧で、平均値は男性132/71、女性130/73でした。

80歳代前半までは高血圧者が増えていきますが、それを超えるとむしろ減ってくるという調査結果はほかにもあります。
とくにひどい高血圧が減っています。
だから百寿者は一般の高齢者より血圧は低いと考えてよいでしょう。
動脈硬化も軽い人が多いといわれています。

血圧の高い人や動脈硬化の進行した人は百歳まで生きられないので、血圧は高くない、動脈硬化も軽い、いわば“健康エリート”が百寿者になれると考えられるのです

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