生涯学習と健康長寿の関係

人生50年だった時代とは違い、現代は男女ともに平均寿命が延び「人生100年時代」と言われています。
65歳で定年退職になっても、その後も就業する人や、地域の活動に参加するなど、「元気な高齢者」が増えています。
いつまでも体とこころの健康を維持し、生涯現役を目指す取り組みの一つに、「生涯学習」があります。
生涯学習とは、一般的に私たちが生涯の間に行うあらゆる学習、あるいは学習する行動のことです。
幼児教育に始まり、学校教育、家庭教育、企業内教育、社会教育などの「教育」はもちろん、自主的に行う文化活動やスポーツ活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、趣味の活動なども含まれます。
「学習」という言葉には、学問や技術を「学びならうこと」「新しい知識を得て感情を深化させる」という意味があります。
つまり生涯学習とは、生涯にわたって技術や新しい知識を得たり、感情を深めることをいいます。

現代は、さまざまな面において価値観が多様化しており、一つの物事に対する正解は必ずしも一つではありません。
物事に対し近視眼的になるのではなく、広い視野を持ち、状況に応じた判断や物事の背景にある事柄も含めた考察が必要となります。
また、高齢化社会の中で健康寿命を延ばしていくためには、家に閉じこもるのではなく、積極的に社会参加を行い、さまざまな世代と交流を深めていくことが求められています。
就業を継続したり、新しいコミュニティで活動していくためには、自分にとって新たな知識を習得していくことが必要です。
新たな活動を行うまでの自分には無かった新たな技術や知識は、生活を豊かにしたり、新たな生きがいになることが期待できます。

高齢者の多くは、身体機能の衰えや、それによって要介護状態になることへの不安を抱いています。
高齢期を豊かに暮らすためにはまず、健康な体づくりが必要です。
そのためには積極的に外に出て地域社会の中でボランティア活動をしたり、軽い運動を生活習慣の中に取り入れてみましょう。
また、生きがいを見い出すような生涯学習も、こころの健康には必要です。
どのようなことに生きがいを感じるのかはひとそれぞれですが、就労、趣味、教養、ボランティア活動などの社会貢献、さらにはそれにつながる学習活動も、生きがいにつながる可能性があります。

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