高齢者向け「ユニバーサル食」開発へ 長崎県内3社が結集 販売も見据え

長崎県内に事業所がある福祉、飲食、小売りの3分野の企業・団体が結集し、高齢者でも食べやすい硬さや粘度などを工夫した「ユニバーサル食」の開発に乗り出した。
各社の店舗などでの提供や販売を見据える。

3社は、高齢者福祉施設を運営する「社会福祉法人ながよ光彩会」(西彼長与町)、飲食店展開やプロデュースをする「F.デザインNAGASAKI」(長崎市)、スーパーを展開する「ジョイフルサンアルファ」(同市)。
ながよ光彩会はこれまで、餅にサトイモを混ぜ込んだ「喉に引っかかりにくい餅」など、高齢者でも安全な食品を開発し、施設利用者らに提供。
この取り組みを知った2社が、共同開発に参加した。

高齢者向けの食を巡っては、日本介護食品協議会(東京)の自主規格「ユニバーサルデザインフード」があるが、県内での普及はいまひとつ。
ジョイフルサンアルファなどによると、スーパーなどでも乳幼児向けのコーナーはあるものの、高齢者向けはほとんど陳列されていないという。

長与町本川内郷の特別養護老人ホームかがやきで4月26日にあったキックオフ会合。
「手まりすしは一口で食べられ見た目もいい」「高齢者でも開けやすいパッケージにもこだわりたい」-。
3社の担当者が意見を出し合った。今月末にはジョイフルサンアルファの店舗視察を行い、その後商品開発へと進む予定だ。

ながよ光彩会の貞松徹理事長は「他業種とのこのような連携は少なかった。
互いのノウハウや問題意識を共有し、たくさんの人に食を楽しんでもらうきっかけを作りたい」と話す。

 

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