口腔機能の健康への影響
口腔は食事や会話、容姿といった人と人とのつながりや言語、非言語的コミュニケーションに欠かすことができない重要な役割を担っています。
口腔機能が低下すると食べられる食物の種類や量が制限されるので、栄養のバランスがとりにくくなり、食事の質が悪くなるため、免疫や代謝といった機能の低下から病気にかかりやすく、治癒しにくくなります。
口腔機能の低下によって食事や会話に支障をきたすと、対人関係に困難を感じるようになり、外出や外食をしなくなったりして、社会とのつながりが減少していきます。
また、口腔機能の低下によって口の周りの筋肉が少なくなり動きも悪くなると、容姿や表情が損なわれ、言語的・非言語的コミュニケーション能力が低下します。
すると人とのつながりを良好に保つことが困難になり、閉じこもりがちになったり、買い物や交通機関の利用などといった知的能力を必要とする活動も減少し、身体的・精神的にも活動が不活発になり、寝たきりや認知機能低下のリスクが増加することになります。
病気やけが以外に、健康な生活を損なう要因として気を付けなければならないのは、社会参加の機会が減少することです。
楽しく食事をしたり、コミュニケーションをはかったりするためには口腔機能を維持することが不可欠です。
食事や会話に支障をきたすと、外出や人との付き合いを避けるようになり、閉じこもりがちになります。
不活発な生活が長く続くと、体力とともに意欲も低下し、うつ傾向や認知機能の低下にもつながります。
認知症や脳血管障害といった大きな病気にならずに、徐々に要介護状態に陥っていく原因のほとんどが不活発な生活習慣であるという調査結果も報告されています。
「食べる」「話す」といった機能は毎日使うもので、その低下を本人が気づくことはとても難しいことです。
外出や外食、他者との交流を積極的に行って、まず高齢者本人が意識的にそれらの機能を使い、その変化に注視すること、お互いに口腔機能の低下や容姿の変化を確認し注意しあうことが重要です。
このように高齢者が身体的、精神的、さらには社会的にも健康な生活を送るためには、口腔機能を維持することが大切なのです。
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