「いい風呂の日」に要注意 増加するお風呂での溺死の防ぎ方は?
11月26日は「いい風呂の日」。
しかし、寒くなる11月からは高齢者の入浴中の事故が多く発生し、注意が必要だと消費者庁が呼びかけている。
消費者庁によると、65歳以上の事故のうち、溺れて亡くなる人は年々増える傾向にあり、2016年には約6800人に上った。
中でも、家庭や居住施設の浴槽で亡くなった人は約4800人で、およそ7割を占め、交通事故で亡くなった人よりも多くなっている。
さらに、2007年と2016年を比べると、55歳以上の全年代で死亡者数が増えており、特に75歳以上の死亡者数の増加ぶりが目立つ。
東京都健康長寿医療センター研究所は、急な温度の変化で血圧が大きく変動し、失神や心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」が溺死につながっているのではないかと指摘している。
また、「入浴に伴う死亡は圧倒的に冬期間に発生」しており、「気温の低下が最大のリスクであることはまちがいありません」と分析している。
■入浴中の事故を防ぐには?
気温が下がるこれからの季節に、何に気をつければ良いのだろうか。
消費者庁は入浴中の事故を防止するための注意ポイントをまとめている。
1.入浴前に脱衣所や浴室を暖める
暖かい部屋から、温度の低い脱衣所、浴室内に入り、また温かい湯に入るという急激な血圧の上がり下がりを抑える。
2.湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
湯につかる時間は10分までを目安にし、長時間の入浴は避ける。
3.浴槽から急に立ち上がらない
入浴中に急に立ち上がると貧血になり、倒れて溺れる危険があるため、浴槽から出るときはゆっくり立ち上がる。
4.食後、飲酒後、服用後すぐの入浴は控える
食後や飲酒後、精神安定剤や睡眠薬などの服用後も入浴は避ける。
5.入浴する前に同居者に一声掛ける
入浴中に体調に異変が起きた場合に早く見つけてもらうために、入浴前には一声掛ける。
また、家族など周囲の人の注意も重要だ。
岡村和美消費者庁長官は11月21日の記者会見で、「本人のみならず、ご家族など高齢者の周囲の方も一緒に、事故防止に取り組んでいただきたい」と述べた。
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